「コーヒー豆は焙煎してからどのタイミングで飲むのがいい?」

神奈川スペシャルティコーヒー専門店 RED POISON COFFEE ROASTERRS 代表兼ロースターTOMOです。

焙煎後時間が経つことによって風味が変化していくことをエイジングと言いますが、エイジングの進み方は実は焙煎の仕方でだいぶ変わってきます。なのでお店の人に聞いてみるのが一番かと思います。

豆のままで常温保存する場合を前提に話をすると・・

当店ではベストで言えば製造日から1週間程度エイジングした方が味わいに纏まりが出て豆本来のキャラクターがより感じられるようになります。また甘さも焙煎直後より増してきます。

浅煎りは10日ほど経ってから特に美味しくなるものもありますので少し長めのエイジングをおススメします。

「いつまでに飲み切ればいいの?」

ベストで言えば製造日から1.5カ月程度。ただしそれ以上経過しても風味はやや落ち着くものの円やかで飲みやすさがありむしろ好みという人もいらっしゃいます。賞味期限を6カ月としているのはそのためです。

「冷凍保存が良いと聞きましたが?」

ここまでの話は、豆のままで常温保存した場合を前提としていました。

コーヒー豆は原理原則、保存する温度が低い程エイジングの進行が遅くなります。ですから冷蔵や冷凍で保存するとより長持ちします。10℃温度が下がると2倍エイジングの進行が遅くなるとも云われています。賞味期限は常温での設定ですのでそれ以上の長い期間保存可能です。

ただし低温で保存する場合は結露による湿気に注意する必要があります。

小さなガラス瓶など密閉容器に小分けし冷蔵庫に保存します。使うときは冷蔵庫から取り出して直ぐにはフタは開けず容器の結露が無くなり常温に馴染むまでそのままにしておきます。これで結露による湿気を防げます。以後は使い切るまで常温での保存でよいでしょう。

「お湯をかけても粉があまり膨らみません。」

粉に湯をかけることで粉に含まれる炭酸ガスが放出され膨らみが起こります。しかし焙煎度合いとエイジングによって膨らみ方は全く変わってきます。深煎りほど焙煎時に炭酸ガスが生成されるので粉が良く膨らみます。そして炭酸ガスはエイジングによって少しずつ抜けていきます。

一方、浅煎りは炭酸ガスがあまり生成されず焙煎直後でも粉はあまり膨らみません。ですので一概に、粉が膨らむ=鮮度が高い=美味しい。ということでもないのです。

美味しいコーヒーを淹れるのに粉の膨らみはあまり意識していません。豆に合った程度なエイジングが入っていることの方が美味しさに繋がるように思います。

「粉に挽いた状態でも保存できますか?」

もちろん保存できます。しかし挽くことによりコーヒー豆の表面積が増えた分エイジングの進行も早まります。

「粉に挽いてもらってますが飲みやすくて美味しいです。」

一方の考えではエイジングが進むことによって円やかでぽっくりしたような親しみやすさも出るので、むしろそちらの方が好みという場合もあります。お好みでお楽しみください。